一度の保証(短編集)
今日も、ソファに仲良くくっついて座りのろけている二人



あたしは、クッキーの缶を出し、堂々と妬けちゃうくらいの二人に、たまには照れてもらおうと、言葉を投げ掛けた。



「そうよねぇ。
愛ちゃんは、一番生還が難しいかったのに、貞司さんは 二日で約束させてくれたんだものね〜
愛よね〜」



にこにこしながらあたしが言うと、二人は、真顔になり、あたしは慌ててつけ加えた。



「ごめんなさいっ!
すごく愛し合っててすごいなって思ったのよ」



剛があたしのあとにつづき言う。



「なんだ〜?二人でも びっくりして照れることもあるのか〜」



にやにやし言う剛に、貞司さんが言った。



「そうですよ!
だけど俺は、愛子を愛していますから当たり前でした」



「そうよ。あたしも どうしてあんなことしたのか…。でも 今は幸せよ」



日頃の二人の笑顔に戻りのろけがつづいた。



あたしは、一瞬 失礼な事を言ったかと焦ったがそうでもなかったようだ。



確に、死んだ時の話しをしたのは良くなかったかもしれないが、素直に 二人のすごいところだなと思っていたためもあり、口から出たのだった。






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