一度の保証(短編集)
「うん。去年から履いてたミュールが駄目になっちゃったし、ジーンズも1本 よれよれになっちゃってたしね」



「そっか。あ、今日は、泊まり無理なんだ。つか、二人でゆっくり逢ってから話そうと思ってたんだけど、明日からしばらく 別々に暮らしてた妹と一緒に住む事になってさ。
だから、しばらくは 家には…ごめん」



切り分けたお好みを紗和の皿に乗せてやり言う。



「そうなの?妹いたの?!そっちに驚いた」



紗和は、腕を伸ばし俺から皿を受取りながら言った。


「血が繋がってるだけだよ」



「太一…、血か繋がってるから妹なんでしょ?
だけって…」



「ああ!ごめん!違うんだ。
俺が、4才で妹が1才の時から別々に暮らしてて 逢う事も俺が 高校一年になるまで一度もなかったからさ。
妹と言っても血が繋がってるとしか言いようなくて」



「ごめんね、私、事情も知らずに」



「いや、いいんだよ。
俺も 話してなかったし、今回 急に話しがあったからさ」



「妹さんいくつ?」



「俺の3つ下だから、21かな」



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