一度の保証(短編集)
翌日

日曜日にしては、朝早く起きなくてはいけない俺は、8時に目を覚ました。



えりなが、トラックと来るのは、9時前だろう。
と思っていると、家の外が騒がしいことに気づき、玄関に向かっていると、インターホンの音とともに、えりなの母の声がした。



「後免下さい。埜上です」


俺が、鍵を開けると えりなの父の姿から見え、壁にかくされていたえりなの母も姿を現した。



「おはよう太一さん」



えりなの母は、にこやかに笑い言う。



「おはようございます」



俺も 好青年を自然に装ってしまい挨拶する。



「えりな。しっかり挨拶しなさい」



「はーい」



父親に言われ、母の後方から現れたえりなは、我が妹ながら、美人に育っていた。



うねりのない黒髪は、腰までとどきそうなストレートで艶やか



ふっくらとした唇は、赤でもなくピンクでもなく、自然に色づいた唇に薬用リップだけぬっているような。



変わっていて当然だが、一番目についたのは、洋服だ。



流行りなのか、よくみかけるショートパンツにベルトもお洒落にしていて、上は、女の子らしいふわっとした裾の広がっているものを着ている。
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