一度の保証（短編集）

「いや、いいよ。えりなが自分で決めて行動してるんだ。
友達とも一緒にいたし、俺達は、俺達で楽しもう」



そう言い、重なっている紗和の腕ごと移動しようとすると、紗和は、俺の体を止めさせた。



「紗和？」



「駄目よ。私は気になるわ。
太一の妹ってゆうのもあるけど、嘘ついて旅行してホストクラブに通いつめるなんて私の考えでは良くないと思うもの。
それに、えりなちゃんは、太一が今、責任持たないといけない義務があるんだから、知る事が大切よ」



紗和の強い意思を示した目で言われた俺は、ふっきれた。



「そうだな。今日は、いつ出てくるか分からないし、明日 電話してえりなを呼び出すよ。
紗和も一緒に話し聞いてくれていいよ」



「でも、いいの？」



「ああ、紗和に言われなければ 俺 一人なら 気にしつつもほっていたと思うんだ。
何しろ まともに暮らした事ない妹だからね。
ひどいだろ？」



「そんなこと…。今は、こうして心配してるじゃない」



「さぁ？分からないよ？責任と義務かもしれない」



「それでも気にかけているんだから、ちゃんと 明日 聞いてみましょう」