一度の保証(短編集)

留衣

一緒に住んでいるのに、よくこうして外で待ち合わせするあたし達



裕馬が来るのをあたしは、このビル内のお気に入りのブランド服の店を見て待っていた。




あたしが、スリムな形のいいパンツを見ていると、真横に裕馬が来ていた。



「留衣ちゃん おまたせ」



職業を変え、ちゃんと正社員で入社できた裕馬は、髪の色を落ち着いたダークな色に変えていた。



あたしは、前の金髪より今の色の方が 断然似合うと思う。



「どこ行ってたん〜?」



「仕事の人と逢っててん」



「夜?」




「うん」




うん。って、いくつになってもどこか無邪気な感じが抜けない裕馬




「それ買うの?」




「ううん、形きれいやなと思って見てただけ」




「留衣ちゃん似合うって、1万4千円か。買ったるわ」




裕馬は、あたしのサイズを選びレジへ真っ直ぐ持って行った。




なんか よからぬことでもしたんかな?
なんて思い、そんなのは気にせず、包装してもらってきた袋をあたしにくれる裕馬




「ありがとう!」




あたしは、受けとると、ちゃんと裕馬に笑顔でお礼を言う。

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