一度の保証(短編集)
楠木 桃華 二十八歳


あたしは今、一度目の人生を終えようか悩んでいた。

だが、怖い。


本気で、真の底から、あたしが生き返る事を願ってくれる人は、いるだろうか?


一度目を終らせたいのは、ただ、もう疲れただけ、だからちょっと休みたい。


熊のする冬眠のようなもの。


また生き返り頑張りたい。

けれど、最後の人生を送る二度目の為には、誰かが願ってくれなくては、あたしに二度目の命はない。


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