一度の保証（短編集）

翌日 私は 病室を出てその足で会社に向かった。


一度 自宅に帰ろうか迷ったが、どうしても気になって仕方がなく、早苗と話をしたかった。


なにがなんなのか分からないまま喉にくっついたものがはがれないような気持ちの悪さに、歯がゆく感じていた。


会社に着くと、私は、エレベーターを使い、私の働いているデスクがある場所
４階まで行った。


私が現れると、突然の出来事にみんなは、驚きの余り持っていた物を落とす女の子や、飲んでいたコーヒーが手元を狂わし机に溢してしまう男性もいた。


「中原君！大丈夫なのかね！？」


専務が、席を立ち私にめがけて声をかける。


「はい。ご心配おかけしました」


私は、一礼し、また言う。

「今日は、平田さんとお話がしたくて」


「そうか！そうだな！平田君は、君にとって命の恩人だもんな！
好きなだけ今日だけなら話してくるのを許そう」


「ありがとうございます専務」


「平田君は、今 二階の倉庫で頼んだ資料を探してくれているから、え〜そうだな。倉門君、君 平田君の変わりに続き頼むよ」


「はい専務。じゃあ 中原さん下まで一緒に行きましょう」