一度の保証(短編集)
「あんなに男からモテて夢中に追い掛けられてるじゃない」


「その時その場でだけよ。私は、付き合って今まで長くて二年くらいよ?それも今まで一人だけ…
あとは、付き合っても三ヶ月とか半年も続かないし、続いてるかな?と思いはじめても9ヶ月くらい。
私は、早苗が幸せそうで、未来も幸せそうで羨ましかった。なのに、殺されるなんてされる事ないわよ」


「命を奪ったのは、謝る以外できないけど、あたしは、里見が思ってるほど、幸せでもないわよ。
ほんとよ?
確かに勇介とは長い付き合いよ、もう六年。
でも、浮気ばかりされてるわ。
里見に似たモデル顔の子が多くて、何度か そっちと付き合うから別れようって言われて、別れてたりしたし。それでも、またよりを戻したりしながら今よ。
ずっと幸せだったわけでも、未来が幸せなわけでもないのよ。だから里見に嫉妬と恐怖が入り混じったりしてきたのも事実」


「そう。
私が 嫌いだったの?」


「違うわ。認めすぎてた分 余計かも…しれない。
ごめんなさい。自分でもよく分からないの」


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