一度の保証(短編集)
私は、白ワイン一気に飲み干し、もう一杯入れ、早苗のグラスを早苗に差し出した。


早苗は、黙って手にとることもしない。


私は、そんな早苗に、ぐいっと触れるほどグラスを近づけた。


早苗が、グラスを持ち、飲まずに、白ワインの中一点を見つめている。


私たちは、黙ったまま時間を流す


私は、白ワインを口の中へ進めてゆき、早苗は、見つめつづけている。


私は、その早苗に言う。


「早苗も飲んだら?」


早苗は、黙ったまま飲みはせずにいる。


「早く!早苗が飲まないことで何か変わるわけじゃないんだから。
謝りつづける変わりにそれ今飲みなさいよ」


私がそう言うと、早苗は、グラスを下唇につけ喉まで流し込みのんだ。


私は、それを見て言う。


「まぁ…
でも…
私が、生き返るほど後悔してくれたのよね…」


早苗が、私を見て、また土下座し言った。


「あり…がと… ありがとう…
ごめんなさい、里見
ごめんなさい、ほんとにごめんなさい里見」


私は、早苗が頭を下げて見える口頭部を見て、もういいわ… そう思った。


「早苗、席に戻りなさいよ。食べましょ。私何も食べてなかったんだから」



2完
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