一度の保証(短編集)
「どうゆうことだ!お前!」


お父さんは、お母さんに迫る。


「ごめんなさい。内緒にしていて…
もうね、見てられなくて…
それに、太一の妹なんだもの、とても他人とは思えなくてね、
太一の保証じゃなくてもいいんだろ?
埜上さん達は、三人からの受け渡しが必要と言っていたからね、お母さん埜上さん達に聞いてみたんだよ。それで、お願いして、太一とお父さんには内緒にしてもらってたんだ」


「そんな… お母さん」


「お前…」


俺の後に言ったお父さんは、それ以上、何もいわなかく、涙ぐみながら部屋へ行った。


お母さんと二人きりになった俺は、言う。


「お母さん、ごめん」


「太一が謝ることはないんだよ」


「でも、俺の妹だし…」


「お母さんね、後悔なんてしてないよ。
太一を育てれて幸せだったし、えりなちゃんに保証をあげたのもお母さんがそうしたかったからだしね。
だから、太一は気にしなくていいの」


「お母さん…」


俺は、止まらなくなった涙で声をあげて泣いた。


「太一…」


お母さんは、抱き締めてくれ、俺の涙と声は、止むことはなかった。


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