一度の保証(短編集)


「留衣ちゃん。
夢ハメって知ってる?」


裕馬は、細身のスーツをかっこよく着こなし、下に着ているであろう黒い半袖のティーシャツを胸元から少し覗かせ、右手をポケットに入れながら歩き自分の左隣に歩くあたしの方を見て言った。


「夢はめ??何それ?」


昼も夜も人が一番行き交う都市を、ほとんど毎日に近いほど裕馬と最近は歩くことが多い。


「そっ。
夢ハメ!」


「わからん。」


「早いって〜。考えてーやぁ」


「だってわからんもんはわからんもん」


「俺、ホストしはじめて教えてもらってん」


「って、しはじめてまだ何日かやん!」


あたしは、呆れたように裕馬を見て言った。


「何日かじゃありませ〜ん。四日ですぅ」


あたしより一つしか変わらないのに17才のあどけなさで子どもっぽく言ってくる。


「はい、はい。四日やね!」


「留衣ちゃん、俺頑張ってんねんから〜、これからも頑張るし〜」


「うん、うん。
でも、ずっとホストしていくつもりなん?」


「まだ なんも考えてない。でも、やってみたかったし。
せっかくど田舎から出てきたんやもん。
それだけでも、バリ嬉しい!」


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