一度の保証(短編集)
「そうやんね、しげっちいつも仕事遅いし、久しぶりやね」


「同伴も、なかなかしたられへんもんなぁ。
今日はな、明日も休みやから 時間いけるねん」


「そうなん?嬉しい!
けど…いいの?
無理してない?大丈夫?その…」


あたしは、上目使いでしげっちを見ながら言いにくい言葉を詰まらせる。


「金か?
大丈夫や!留衣ちゃんが気にすんな!
それに、留衣ちゃん言ってたやん!
すごい嫌な客が一人居てて、指名してくるってさ。
今日 きよっても俺がずっと指名しといたるから安心しいや」


「しげっち…
ありがとう!ほんましげっちは、いつも優しいな」


「そんなん留衣ちゃんやからに決ってるやろ〜」



「またまたぁ〜。でも、ほんま嬉しい。しげっちのおかげであたしいつも助けられてるわ〜」


しげっちとあたしは、バーで軽く食事を済ませたあと、店へ向かう。


しげっちは、ほんとに優しい人だ。


嫌な客も中にはいるが、しげっちのような優しい人も多い。


下心があって
と言ってしまえば、それまでだが、うまく交して行けば問題なく過ごせる。


おこづかいにしては、多いすぎるくらいお給料をもらえるのも、みんなのおかげだ。
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