一度の保証(短編集)
店に着き、あたしは、しげっちに言う。


「あたし着替えてくるから、先 座って待ってて」


「はいよ」


いらっしゃいませというボーイの掛け声で、しげっちは、ボーイに案内されたテーブルへと座った。


あたしは、ロッカーに行き、今日着るピンクのドレスを出した。


あたしのロッカーには、ピンク、グリン、白、オレンジ、薄紫の5着ドレスを置いてある。


週四日のバイトのあたしは、週に一度づつ着回してドレスを使っている。


ほんとは、黒いドレスが着たいが、あまり黒を着ることは、良くないと言われている為、置いてはいない。


着ては、駄目ではないが、あたしもなんとなく言われるままに着ないようにしていた。


準備を整え、あたしは店へと出る。


「おはようございます」


いつも通り財布を預けると、ハンカチとケータイと小さなメモ帳をポーチに入れ、しげっちの席へ、案内役のボーイと行く。


「おまたせしました。
留衣さんでーす」


ボーイの言葉を最後まで聞かず、あたしはしげっちの席へ座った。


忙しくなりにぎわいはじめた店の中では、ボーイも忙しく次々行動を変えて取っていた。


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