一度の保証(短編集)
「しげっち。
あたしも飲んでいい?」


あたしは、しげっちに、にこにこ聞くとお決まりの言葉が返ってくる。


「って、もうグラスに氷入れ始めてるやーん」


「そう。でも、いいんやろ?」


「ええよ〜!どうせ新しいの入れようと思ってたとこや」


「ボトル?でも、まだこれ半分はあるで?」


「うん。今日でなくなるやろ。だから今入れとくわ。もう さっき留衣ちゃんが着替えてる時、つかさ(ボーイ)に、ゆうといたし」


「え?そうなん?
聞いてなかった〜!つかさ〜言えよ〜!
ごめんなしげっち。ありがとう!」


「いいって!そんなちっちゃいこと俺の前では気にすんな」


「は〜い。じゃあ、乾杯」


あたしは、両手で水割りのグラスを手にし、しげっちと本日 二度目の乾杯をした。


しげっちと会話を楽しみながら飲んでいると、あたしをボーイが呼んだ。


「留衣さん お願いします」


「あっ はい」
「ごめん、しげっち ちょっと待ってて」


あたしは、グラスに蓋をし席を立った。


あたしの代わりとして、女の子が付けられる準備をしている姿が見え、あたしは時計にも目をやり、悟った。


きたぁ…


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