一度の保証(短編集)
城農さんだ


ジョウノウさんは、60歳を超えるおじいちゃん


あたしのお客さんの中では一番厄介
そして、一番 お金を使ってくれるお客さん


一階下にある系列店にヘルプへ行った時、その店の子のヘルプとしてついたのが、城農さんだった。


あたしは、まだ初めて夜の世界で働きだし、入店したばかりの新人だった。


系列店と言っても別の店には変わりないので、気楽に遠慮もせずと店長に言われていた為もあり、あたしは、始めましての挨拶を名刺は、渡さず城農さんにすると、城農さんは、あまり話しもしなく、「ああ、そうか」とゆうだけだった。


あたしは、そんな城農さんに、話しかけた。


「あたし、上のお店からお手伝いに来たんですよ。よろしくお願いします」


「君、上か?」


「はい!」


あたしは、にこにこ笑って話していたと思う。


それから城農さんは、なぜこの下の店ではなく、上の店にしたのかを聞いてきた。


城農さんが聞くのは分からなくもなかった。


一階の店は、暖かみのある落ち着いたシックなピンクの壁紙に、うるさい音楽も流れていなく、大人の雰囲気だ。


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