一度の保証（短編集）
「は？でも、アリアさんが…
すみません城農さん、もう少し待ってて頂けますか？すぐ戻しますので。
女の子も変えましょうか」


ボーイが驚いたように早口で話す。


そりゃそうだ。


アリアさんは、城農さんが指名している人らしいから。


あたしは、無言のままどうしていいのかも分からずやりとりを聞いているしかなかった。


「いや、いい」


「何か 気を悪くさせましたか？」


「なんにも？とりあえずチェックして。
わし、この子気に入ったから上の店行くから」


城農さんは、あたしの腕首を掴み店の入り口に歩き出した。


「え？」


ボーイの声と、あたしも同じ言葉を心に浮かべていた。


入り口に着き、城農さんはあたしの腕を掴みながらボーイに言う。


「とろいから来たわ。
はやく伝票だして」


ボーイは、慌てて会計をしていた。


女の子のちくちくした視線を感じながら店を出て、階段で二階に行き、あたしの入店した店に来てくれた。

「いらっしゃいませ〜」


店長は、城農さんに頭を下げ言うと、あたしを待機場所に残し、城農さんだけを、席まで案内した。


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