一度の保証(短編集)
「じょうのうちゃーん。
だからね、あたしまだ学校通ってるし、今はね、ここで働くのに専念したいのってばぁ」


あたしは、じょうのうちゃんによりかかり言った。


「こんなとこ辞めて、生活 全部面倒みたるからゆうてるやん!学校も適当に行って、パソコン習わしたるから習え。な?」


「困るよ〜。それに、あたし習い事も今 たくさんしてるし…
せめてもうちょっと待って?」


「もうちょっとって、一年か?そんなんいつになんねん」


「ううん、一年もないよ〜。今、忙しいから、順番に辞めて整理していくから、ね?」


「よっしゃ。絶対やぞ?留衣ちゃん。
楽しみに待ってるわ。だから焦らんとゆっくり片付けていき」


近頃は、こうゆう会話が多い。


気分を良くしてくれるまで頑張る。


ふぅっと溜め息を飲み込むようにお酒を飲むと、じょうのうちゃんは、あたしの耳元で言う。


「留衣ちゃん、前からの約束。
わしの女になった時は、留衣ちゃんの全部がわしの女ってことやからな」


「うん、分かってるよ〜」


こんなに本気で来られるとは思っていなかった。


だってあたしとの年齢差を考えれば有り得ないから。
< 97 / 201 >

この作品をシェア

pagetop