* 禁断の果実 *


そのあとも撮影再開の声がかかるまでマーと話して



撮影が終わったら新しく入れてもらう、ワンクールドラマの顔合わせを会議室でしてから仕事終了。





終わったのは夜中の2時過ぎ。



労働基準法とかそういうのもあるけど
そんなのいちいち守ってたら埒があかないって事で18以下のアタシでもこんなのはザラ。





ま、未成年でもお酒手にして商売してる人だっているしね。






読モになったのは親が死んでからすぐ。


スカウトされてたのを断り続けてたけど
生活費が必要になったし


何て言っても何かに逃げてないと可笑しくなりそうだったから









今となってはもうひとつ理由があるけど…














「ただいまぁ」



ものすごい小さな声で呟いて静寂な玄関を通る。




真っ暗なリビング。



電気をつけるとテーブルの上にある料理と



"食えよ"




って一言。








ほんわかとする心…







着てるコートをかけようとしたときソファーの上に丸まって置いてあった和のも見つけて


自分のをハンガーに通してから


和のもかけた。






シワを伸ばすようにちょっと叩いたら

不意に甘いフレグランスが鼻を霞めて…





< 10 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop