* 禁断の果実 *
"カケル"のワードに過剰に反応したのは裕美。
「え!?、カケルって、あのカケル君!?
もしかして!!合コン来んのっ!?」
きらっきらっさせた瞳で嬉しそうに聞く。
あー、そっか
カケル、中高生の好きなモデル1位なんだっけ。
そんなことを思い出しながら
うん、と頷くと
「やっぱ俺も行く!!」
少しムッとしたような顔つきで言い放ったマー
。
「なんで」
「気になる!」
「カケルが?」
カケルの何が気になるのか
言ってる意味が分からず聞き返すと
「う、うん…」
歯切れ悪く答えた。
「なに?、カケルが好きなの?」
「は!?、なんでそうなんだよ!」
「だって気になるんでしょ?」
「いや…だか、ら…」
「何が気になるのよ」
聞いたアタシから目をそらしながら
なんか呟いたんだけど…
「え?、なに?聞こえない」
いつもうるさいぐらいなのに
なに言ってるか聞こえないっつーの。