* 禁断の果実 *
「え…っと」
口ごもるマー…
と、それを押し退けるような勢いで
「星夏っ!!、服どうしよっ!!」
血相かいて抱きついてきた裕美。
まぁ…、カケルだからそうなるのも無理ないけど
「別になんでもいいでしょ」
そこまで必死にさせるカケルを少しだけ妬く。
素っ気ないアタシの返事に
ああだこうだ、とぶつくさ続ける裕美。
最終的にそれを終わらしたのは昼休み終了を知らせるチャイム。
教室に戻る前
"俺も絶対行くかんね!"と念を押したマーはよく分からないままだけど
とりあえず、はいはい、と返した。
ダッシュして席に着いたのは五限開始の本鈴が鳴ったとき。
礼をして余談もせずに始まる授業。
進学校だけあってふざけあってる人はいないけど寝てる子は多い。
最初はノートをとってたけど
飽きてきて…
動かしてた手を止めて顔を支える。
真っ青な空を白い雲がゆっくり動く。
ふと、校庭に視線をうつすと
サッカーをしてる男子生徒達。
ふふ、マーがいる。