* 禁断の果実 *



「え…っと」




口ごもるマー…

と、それを押し退けるような勢いで





「星夏っ!!、服どうしよっ!!」




血相かいて抱きついてきた裕美。






まぁ…、カケルだからそうなるのも無理ないけど





「別になんでもいいでしょ」



そこまで必死にさせるカケルを少しだけ妬く。








素っ気ないアタシの返事に

ああだこうだ、とぶつくさ続ける裕美。




最終的にそれを終わらしたのは昼休み終了を知らせるチャイム。





教室に戻る前


"俺も絶対行くかんね!"と念を押したマーはよく分からないままだけど


とりあえず、はいはい、と返した。











ダッシュして席に着いたのは五限開始の本鈴が鳴ったとき。





礼をして余談もせずに始まる授業。








進学校だけあってふざけあってる人はいないけど寝てる子は多い。





最初はノートをとってたけど


飽きてきて…









動かしてた手を止めて顔を支える。






真っ青な空を白い雲がゆっくり動く。





ふと、校庭に視線をうつすと





サッカーをしてる男子生徒達。








ふふ、マーがいる。








< 19 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop