* 禁断の果実 *
どこで逃げようとは考えていながら
結局ホテル街までたどり着く。
強引に振り切れば逃げられるとは分かりつつも
やらないのはなんでだろ。
"バージン"と言う単語のリフレイン…
初めては和だった。
周りで騒ぐ恋ばなのおちは結局そこ。
いつだったとか?
まだ?
とか…
その質問を振られて適当に促すのがアタシのスタイル。
"処女じゃない…んだ"
歯切れ悪く、顔を赤らめて話してた子をなんとなく思い出す。
"アタシも違ーう"
笑って言ってもおかしくなかった。
現に一人の暴露で連なって…なんて事はよくある。
それでも
言わなかったのはどうしてだろう。
ヤッた相手を言うわけでもないのに
言わなかったのは…?
「ほら、行こ」
ホテル前で立ち止まったアタシの腕を引っ張っる男。
もし、和じゃなくて
こういうバカ相手がバージン奪ったら
"アタシも処女じゃないよー"なんて笑って言ってたのかな。
「ほら、行こっ」