* 禁断の果実 *
正直、もう抵抗すんのも面倒で
裕美に連絡してないなー、とぼんやり思っただけ。
「ほら、早く、ここまで来てヤダとか言わせないから」
手を繋いできてたヤツがあたしの腰に腕を回して引き寄せる。
鼻をつくようなきっつい香水。
香りつけ程度でつける和の爽やかなやつとは全く違う。
「もう、強引でよくね?」
あたしを真ん中に置きながら
そんなことを話す二人。
いいよ、強引でもなんでも
ただね、自分じゃホテルなんて踏み入れたりしたくないの。
いくら慣れてても罪で汚れてても
ホントに好きな人とヤりたいって気持ちぐらいあるから…
たとえイケナイ事だと分かってても
「何してんの、お前ら」
「……………………………和…」
好きで…
ヤりたい…と思うのは
あなただけなの…