* 禁断の果実 *
「今日は?」
「仕事だよー」
焼いてくれたパンにイチゴジャムをぬりながら答える。
「無理すんなよ?」
コーヒーを飲んでカッコつける和哉をちらっと見てから
「和もね」
答えた。
・
「星夏ー」
後ろからかかった声に振り向くと
「おっはー」
相変わらずハイテンションで無駄に美人な女を確認。
なにも答えずに歩きだすと
「ちょっとー」
怒ったような声で叫びながら走りよってきた。
「なーに」
「なに、じゃないでしょ!?なにじゃ!!」
「うるさい」
「ちょっ、天下の裕美様に向かっての言葉!?」
天下、って
「なにそれ(笑)」
裕美を見ながら聞くと
「"様"はいきすぎだったかな」
なんて言いながら舌を小さく出した。
可愛い、
ほんとそれだけ。