* 禁断の果実 *
「あ、見て星夏」
「なに(笑)」
「和哉くん。
バスケやってるよ~?
学ランにバスケ、様になるよなー」
窓ガラスから指差す裕美を横目に
「あたし、ブレザー派」
素っ気なく返す。
多分、今、あたしと一番仲良くしてくれてるのは彼女。
「まーた、そんなこと言ってー
かっこいいじゃーん」
「ぜんぜん」
仲良し、っていうより
なにやるのも一緒で
唯一、あたしが頼れる人…
多分、親友の部類。
だけど
それでも
「性格がまず無理。
もっと優しい人の方がいい」
和哉とあたしの関係は
言わない。
誰が見ても
「星夏ーぁ!!」
「呼んでるよ(笑)?」
「なによー!」
仲いいね、って羨ましがる
血の繋がった兄妹。
・
「でも、いいよね~
和哉くんがお兄ちゃんなんて
自慢できんじゃーん」
「しないし」
「えー、しようよ
私の兄は…、ってあれ?
和哉くんがお兄ちゃんだよね?」
「せーかい」
どっちが
上か分からなくなる双子…