元 彼 依 存 症



それにしても、ひとり暮らしとなると食器の量が見違えて少なくなる。



家族がいるといないじゃこんな些細な所にも変化があるのだな、とか思っている内に、あっという間に片付けを終えて、今度はメイクを始める。


高校時代は数えるほどしかしていなかったこともあり、鏡とにらめっこをしながら慣れない手つきでマスカラをつけたり、チークを塗ったりしていく。


しかし、あまり派手なメイク自体を好んでいないので、メイクを終えても普段より血色が良いように見えるくらいで、自分では大した変化は感じていなかった。



メイクを終え、着替えを始める頃、テレビではちょうど占いのコーナーが始まっていた。



手を動かしながらも、視線はテレビに釘付けになって占いを見る。



別に占いは信じているわけではないのだけれど、何故かいつも見入ってしまう。


これはもう、なんと言うか『癖』というものなのだろう。




「今日の7位は牡羊座の貴方!恋愛運が好調。あきらめかけていた恋に大逆転のチャンス!ラッキーアイテムはシフォンのスカート!」



テレビの占いの言葉に、驚いて手が止まってしまった。




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