:Noah's Ark
「必要と不要を分けよ。人は自らを不要にはしない。」
確かにその通り。
寝ても覚めても私は私。
誰にも捨てさせない。
「その行為が終わらないと言うのなら、」
声はずいぶんと大事なところで途切れた。
「・・・おはよう、ノア。」
変わりにミライが、モーニングコールをしてくれた。
随分と身体が重い。もう夜が明けたのか。
「見なよ。さっきまで降っていたんだけど、君が目覚めたら止んだんだ。」
空は輝かしく晴れ、水滴は煌めいていた。