:Noah's Ark


「時間という概念は矛盾している。」

コーヒーカップから湯気はたたなくなっていた。


「我々が設定した時間。一日24時間、一時間は60分。60分は3600秒・・・なるほど我々が使う分には申し分ない。」

「・・・しかし世界はそう思うだろうか。我々の時の何十倍流れ続けるその流れは、果たして認識を求めるか?」

ふれあうだけのキス。

「0.1秒」、合わさって。


「結局、認識を求めるだけだよ。わからないものは愛しくもあり、恐ろしくもあるからね、ノア。」


まるでどうでもいいと言わんばかりに大きなあくびを一つ吐き出して、彼は着替えた。仕事へいくのだ。






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