See you again.《短》

「皆のところに行かなくていいのか?」

まだ笑いがおさまらない私に、先生は窓の方を指差す。

その先には、さきほどより人が少なくなったグラウンドが広がっていた。


「うん。いいの。皆にはさっき、お別れをしてきたから。あとは先生だけなの」

私の言葉に、先生は複雑そうに顔を歪める。

だけど、その表情はほんの一瞬で。

すぐに、いつもの何を考えているのかよくわからない表情へと、戻っていく。

そして先生はその表情のまま何も言うことなく、机の上に置いてあった鞄の中にネクタイを仕舞った。
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