See you again.《短》
小さな音すら響く部屋の中。
そんな空間で煙の奥にいる先生を見ていると、初めてここにきたときのことを思い出す。
学年最下位の点数をとった私に、呼び出した先生も少し困っていたっけ。
“出雲。面倒臭い気持ちはわかるが、しばらくここに通え”
そしてその言葉を聞いたときは、理科が苦手な自分を呪ってやりたくなったけれど。
今となっては、あのときの私に抱き着いてお礼を言いたい気持ちだ。
だって、そうでなければ。
私は“この気持ち”を、一生知ることは出来なかったのだから。