See you again.《短》
先生が煙草を消した瞬間。
それがメインイベント開始の、本当の合図だった。
私が椅子に座る先生に一歩近付くと、先生は真っ直ぐに私を見つめる。
その瞳には、たじろいでしまいそうなほどの力が漲っていた。
普段はそんな瞳、しないくせに。
と、心の中で不満を漏らす。
たけど、今までの私ならばここで逃げてしまっていたかもしれないけれど。
今の私には、臆している時間なんてない。
私は先生に憎たらしいと言われた笑みを作った。
「ねえ、先生」
「なんだ?」
そして、先生が飄々とそう返事をしたあと、深呼吸をして。
「大好きです」
私は、素直な気持ちを告げた。