スロウ・メロウ
「山代~女子と喋るとか珍しいな」
ちょっかいを出すつもりで肩に腕を掛けるとすっごい形相で睨まれた。コワッ。
「うるせえ…。これ昨日の分のノートのコピー」
「えっ」
声のトーンが変わった。ちょっと待て。コピー…ってそこまで、普通そこまでするか?
「いいの?」
「……あぁ」
「ありがと」
「……あぁ」
あぁしか言うことないのかよお前は。しかしそれだけ言うと山代はスタスタと席に戻って行った。やっぱり無愛想だ。
残された俺とあおいの間にあったかい風がすり抜けた。
「物好きだな。そこまでやるかね」