スロウ・メロウ
:ストライド
認めたくないだけなんだったら、そんなに苦労しない。
ただこのモヤモヤ感情が特別なものだとするならば、俺はただ……
この空気間が変わるのが恐いんだ、この瞬間が、関係が、ただでさえ自分の感情が変わるのが恐いのに。
山代をあなどっていたな、と俺は思う。普段無口なアイツは奥手なのかと……全然だ。
あおいとは着実に距離を縮めていたし、しかしそれが恋愛というものなのか違うのかと考えればそれは曖昧である。
「……瀬名、髪はねてる」
今朝だってそうだ。一番に言おうと思ってたことに山代は気がついた。
案外見てるんだな。