スロウ・メロウ
「あたしね……山代くんのこと…気になって…るかも」
一体、これを誰が予測したというんだろう。
♪キーンコーンカーン……
それから何があって、俺が何を言ったのかは覚えてない。
ただいつものようにあおいは笑っていたから大方「頑張れ」とかそんな類いのことを言ったのだろう。
心にもないことを。
「実!スタートのフォーム可笑しいぞ」
「…ッ、ウイッス」
部活の時間になってもなお、俺は昼のあおいの台詞や表情が頭から離れなかった。
「ダッセェ、俺」
集中できない。頭がぐちゃぐちゃしてやがる。
「なんだってんだよ…!」