スロウ・メロウ
「アイツ食い気ばっかだし、チビだし、アホだしよ。変なヤツだぞ」
「貶しすぎじゃないのか。瀬名悲しむぞ」
いいんだよ、と笑う。今の俺は…いつも通りか?笑えてるか?
「それでどうなんだよ」
再度聞いたら少し悩んだような顔をしたあと珍しくニッと歯を出した。
「その変なヤツの心配を人一倍するほど、お前も物好きなんじゃないのか」
「はッ…―!?」
なにも言えなかった。
くそ…言い逃げされた。そうだよ、悪いかよ。心配くらいはするぜ。
――…最近、妙に落ち着かなかったり。モヤモヤするのはきっと
あの時間を、この関係を、あおいを失いたくないからだ
「あー…面倒くせ」
依然として空から降り続ける雨。それを身に当てさせた。
ストライド
(変わるのが恐い、そのままでいたい)