dye
『んっ…』
ひどい頭痛で目が覚めたのはゆうまでもない。
瞼をゆっくり上げれば見慣れぬ天井。
今まで住んでいた家とは違い、小さな電球の代わりにシャンデリア、薄汚れた窓の代わりにピカピカの大きい窓。それにふかふかのベッド。
ここがお金持ちの家なんて理解しなくてもわかる。
『ここ…』
こうなる前のことを思いだそうとすると、
『お…お母さん…』
実際に見ていないが母の息絶えた姿を想像するだけで涙がでる。
そう。母はあいつと一緒に殺された。
もう戻っては来ない。
私は
ひとり…――。
コンコンッ
扉をノックする音に肩を揺らす。
ギィ
入ってきたのは金髪で長髪な男。
あの時の3人の中の1人。