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「何をそんなにぼーっとしているのかな?」
額をデコピンされる。
『いった』
「ぼーっとしてる緋凪ちゃんが悪い」
『だからってデコピンしなくても』
「僕の話を聞かなかったお仕置き」
そう言ってお茶目に笑う彼の笑顔が好きだ。
私は半年近くここにいてこの家に住んでる人ともだいたい仲良くなれた。
目の前にいる彼、ちょっと乱暴な彼、メイドさんや執事さん…話すうちに溶け込めたような気がしてた。
でも1つだけ気になるんだ。
みんながみんな本当の名前を教えてくれない。
みんなこう呼んでねと一部を教えてくれるだけ。
私も深くは聞かなかった。
だって…