dye
桜も散ってしまった頃。
私の怪我も完全とは言わないが治っていた。
自由に庭を走り回れるようななった頃、話があると竜さんに呼ばれた。
「緋凪ちゃん黙って聞いてほしいんだ」
『はい』
「緋凪ちゃんの怪我も走れるくらいにまで良くなった。緋凪ちゃんは身よりもないと思う。ここに一生暮らしてもいいといってあげたいんだ…」
私は心躍った。
「でも…」
『でも…?』
「ここにおいてあげれるのは怪我が治るまで、そう上と約束してる。僕の判断じゃ決められないことなんだ」
『それって…出ていけって…こと…?』
竜さんは静かに頷いた。