dye

メニューの追加だろうかと女の人に向き直る。


『メニューの追加ですか?』


女の人は吸っていたたばこを消してスーツの内ポケットから何か取り出す。


「こいつ探してるんだけど」


そういって1枚の写真を出した。私はその写真を見たときドキッと全身が脈打つ。



(るっ琉生…さん…)



「ここ周辺にいるって情報が入ったから…見かけてない?」
『いっいえ…そんな人は…』


私はとっさにそう答えた。



「そう…ならいいの、ごめんなさいね」
『いえ…』



写真越しに見た琉生さんの横顔はあの頃と比べて一段と荒々しくなったと感じられた。



写真1枚見ただけなのに心が騒がしい。
1年も前のことなのに自分の中では忘れ切れてなかった。


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