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『ハァハァ…』
何度も何度も泣き叫んだ。声がかれても泣き叫んだ。
腕からはジュクジュクと血が染み出て顔は腫れ上がり、足の骨は折られ…もう逃げる気力なんか残ってはいなかった。
ギィ…
ゆっくり開く扉。
「おはよう緋凪…」
ゆっくり顔を上げると母がいた。
『…お母さ…ん』
母は私に誤りに来たわけでもない。毎朝朝食を持ってくる。1日一食の食べ物を。
これも母の優しさと思いたいが出されたものは汚物のようなものばかり。
最初の頃は食べるのを拒否していたが、そのうち空腹に耐えられず食べてしまう。だが異臭などですぐ吐き出してしまうのが目に見えていた。
それでも私は食べ続けたんだ。
こんな姿になっても逃げ出すことができなくてもただ生きたかったから。
私の姿は母の目にどう映っていたのだろうか。