また一緒に、1本取ろう。
「道木くん!唯ちゃん!」
「…花菜ちゃん」
「唯、大丈夫か?」
あの時の光景と言葉が頭をよぎる。
落ち着こうと思うのに、呼吸が乱れてしまう。
「唯、ゆっくり息しろ…大丈夫だから」
凌の言う通りにすると、苦しくならなかった。
大丈夫、私には凌がいる。
自分に言い聞かせて、大きく深呼吸をした。
「大丈夫」
花菜ちゃんが目の前まで近づいてきた。
思わず俯いて、目をつむる。
「唯ちゃん、この間は…ごめんなさい!!」
「花菜ちゃん…?」
「木下…?」
顔を上げると、涙を浮かべながら謝る
花菜ちゃんがいた。
「花菜ね、道木くんを彼氏にしてみんなに自慢したかっただけなの」
「えっ…?」
「今まで手に入らなかった男なんていなかったの…でも、道木くん手強くて…花菜、だから唯ちゃんにあんなことっ…」
「花菜ちゃん…」