また一緒に、1本取ろう。






「道木くん!唯ちゃん!」




「…花菜ちゃん」


「唯、大丈夫か?」




あの時の光景と言葉が頭をよぎる。


落ち着こうと思うのに、呼吸が乱れてしまう。




「唯、ゆっくり息しろ…大丈夫だから」




凌の言う通りにすると、苦しくならなかった。


大丈夫、私には凌がいる。


自分に言い聞かせて、大きく深呼吸をした。




「大丈夫」




花菜ちゃんが目の前まで近づいてきた。


思わず俯いて、目をつむる。




「唯ちゃん、この間は…ごめんなさい!!」


「花菜ちゃん…?」


「木下…?」




顔を上げると、涙を浮かべながら謝る


花菜ちゃんがいた。




「花菜ね、道木くんを彼氏にしてみんなに自慢したかっただけなの」


「えっ…?」


「今まで手に入らなかった男なんていなかったの…でも、道木くん手強くて…花菜、だから唯ちゃんにあんなことっ…」


「花菜ちゃん…」








< 137 / 345 >

この作品をシェア

pagetop