また一緒に、1本取ろう。
「凌、一体何があったの?ゆっくりでいいから…教えてくれる?」
凌はうなずいて、ゆっくり話始めた。
凌の震えた声を聞いているのが、辛い。
「俺っ…家に帰ったら…真っ暗…で…っ…」
凌が人前でこんなに泣くのは久しぶりだった。
凌は、誰にも弱みを見せないから。
「リビングが…ぐちゃぐちゃで…このメモが…」
凌はぐちゃぐちゃになったメモを
制服のポケットから出した。
「これ…おばさんの字…」
「母ちゃんの部屋行ったら…血だらけの…っ…」
「凌っ…」
言葉に詰まった凌は、混乱しているようで。
そんな凌を、私は抱きしめた。
私には、抱きしめてあげることしか出来ない。