また一緒に、1本取ろう。






部活に行っても、凌は私を見ようとしない。




「なんか最近さ、凌の機嫌が悪いんだわ」


「ごめんね、健ちゃん」


「あゆも心配してたからさ、唯ちゃんもあんま抱え込むなよ?」




練習中も、凌は私を避けていた。




いつもの練習なのに、息が苦しい気がする。


きっと、暑さのせいだ。


そう、自分に言い聞かせていた。




でも、私の意志とは裏腹に


どんどん身体が重くなっていく。


周りの音が頭に響いてうるさくて。


頭がガンガン痛くて、立っているのもやっと。




胸が苦しくなるのは、発作の前兆で。


息を整えようと思うのに、余計に苦しくなる。




「もう上がれよ」




そう言われて、誰かに腕を掴まれているけど


視界が歪んでいるせいか、誰だか分からない。








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