また一緒に、1本取ろう。






「っ…私は平気だから…離してよ…っ」


「ふらついてるだろ…具合悪いなら帰れ」




苦しい…痛い…気持ち悪いっ…


バランスが保てなくて、身体に力が入らない。




こんな弱い私、もう嫌だ。


頑張れないことが、悔しい。


…ほんと、バカみたい。




ずっと堪えていた涙が、私の頬に流れて。


掴まれている腕を、必死に振りほどいた。


残った力を振り絞って、1歩踏み出したとき。




目の前が、真っ暗になって。


自分の身体が、崩れていくのが分かった。








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