また一緒に、1本取ろう。






ガタンっ…と、激しい音が響いて。


床に倒れたはずなのに、身体が痛くない。




朦朧とする意識の中で、誰かが必死に


私の名前を呼んでいるのが聞こえた。




うっすらと見えるのは、面をつけた凌の顔。




「っ…な…んで…っ」


「ケガしてないか?」




私にずっと声をかけてたのは、凌だったの?


鼓動が早くて、息が苦しい。




部員の人たちが私と凌の防具を外していて、


私はどんどん息が出来なくなっていった。




何回も「ごめんな」と言いながら


私を抱えてどこかへ走る凌。




久しぶりに見た凌の顔は、必死だった。









< 313 / 345 >

この作品をシェア

pagetop