また一緒に、1本取ろう。
ガタンっ…と、激しい音が響いて。
床に倒れたはずなのに、身体が痛くない。
朦朧とする意識の中で、誰かが必死に
私の名前を呼んでいるのが聞こえた。
うっすらと見えるのは、面をつけた凌の顔。
「っ…な…んで…っ」
「ケガしてないか?」
私にずっと声をかけてたのは、凌だったの?
鼓動が早くて、息が苦しい。
部員の人たちが私と凌の防具を外していて、
私はどんどん息が出来なくなっていった。
何回も「ごめんな」と言いながら
私を抱えてどこかへ走る凌。
久しぶりに見た凌の顔は、必死だった。