また一緒に、1本取ろう。






「むかつく」




頭の上から不意につぶやかれた言葉。


驚いて勢いよく振り向くと、笑顔の健ちゃんと


不機嫌そうな凌が後ろに立っていた。




「唯、道木が妬いてるよ」


「えっ!?」


「凌さ、ずっとおもちゃ取られた子供みたいな顔してるんだぜっ」


「健太は黙ってろ」


「道木さ~、唯を信じるって決めたんでしょ?男ならこのくらい我慢しなさいよ」


「…妬いてねーよっ」




あゆと健ちゃんに爆笑された凌は席に戻り、


ムスッとした顔で、机に頬杖をついていた。




「凌、ごめんね?」


「別に…唯は悪くねーし」


「これ、飲む?」


「…ん」




そう言って凌に手渡したのは、


私の飲みかけのいちごオレ。


お昼に飲んでたからちょっとぬるいけど…









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