DV彼氏

電話

・・・ケイタイの音で目が覚めた。

 山田さんからだ!時計を見ると11時。あれ?仕事は?
 不思議に思いながらも電話に出る。

 「ハイ。」

 「もしもし?俺!山田だけど。」

 「ハイ。昨日はごめんなさい。寝てて・・。」

 「いいよいいよ!あんな時間に電話してごめんな。」
 
 「いえいえ。」

 「さやちゃん、メアド交換しないか?」

 「え?」

 「いや・・メールの方が金もかからないし、いいかなぁって。」
(マジ?いいのか?ゆきに報告しなきゃ。てかこのまま・・・)
 頭の中がパニックになりながらも・・・
 
 「いいですよ!」と答えた。

 「マジで?じゃぁ俺のアド言うから送って!」

 「わかりました~。」
とメモを取る私。
早速送ってみる・・・。送信・・・。

 ピピッ!

 はや!1分程で返ってきたのだ。(相当なれてるなこの人・・)

”さやちゃん。ありがとう!いきなりだけど今日食事いかないか?”

 早速お誘いメール・・。
 予定もないしまぁいいか。おごりだし!最初はそんな軽い気持ちで返事を出した。

”いいですよ”

”じゃぁ、仕事終ったらまた連絡する”

”分かりました。お仕事頑張ってください”

とメールのやり取りをした。
こんな急展開は初めてだったので自分でも驚きを隠せない。
まだ時間はめいっぱいあるというのに私は身支度を始めた。

シャワーを浴び、化粧をして、服を選ぶ。いつもなら服も数分で選び終わるのにこの日は、30分以上も考えてコーディネートをしている。

身支度を終えると30分くらいでケイタイが鳴った。
もうそんな時間?!ふと時間を見るとまだ4時半だった。

電話に出ると
 「さやちゃん?」

 「ハイ。もう終ったんですか?」
 
 「あぁ・・自営だから少し早めに終らせた。」

 「そぉなんですか。」

 「ウン。あと30分くらいしたら迎えにいくから待ってて。」

 「ハイ。分かりました。気をつけて来て下さいね。」

 「はいよっ。」

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