*.ふいうちキスにご用心*.
「………。」
…言葉が出なくて、ただぼーっとしてるわたしの手首が
蒼の大きな手でひとくくりに束ねられた。
!!!
「…なっ?!」
「…俺も許さないね。
大っっっ嫌いってゆー言葉、
取り消すまでは。」
そー言った蒼は、いつもの蒼じゃなくて、
慌てながら…
「…う、嘘だよ、嘘!
嫌いに、なれるわけないでしょ!?
だだだ、いすき、だし…。」
…なんで、怒ってるはずのわたしが
こんなこと言わなきゃなんないのよー
と思いながらも、
やっと素直になれた自分に嬉しくて。
心のモヤモヤが少しずつ晴れていく、
そんな気がした。
はぁ…。
やっぱ、蒼には盾突くもんじゃないんだな。
そー思ったのに、なんだか悔しい、って気持ちは
わいてこなくて。
ただ、自然と顔がほころんだ…