365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
ふと央一に目をむけると
央一の横に一央が座っていた。
私はビックリして
ただ見てるしかない私に
< 陽愛、ありがとう! >
一央の声が聞こえた。
私の声に出さない言葉を聞いて
一央は聞いて来てくれたんだとわかった。
だから…
< 私一人じゃ心配で来てくれたのかな? >
心の中で呟いた。
< 陽愛だから安心してるよ。
央一に雪を見せてもらったから
会いたくて来ちゃったけど…
もう帰るよ。 >
一央は一瞬寂しそうに笑って
そのあと央一をギュッとだきしめて
私のところへきて私もだきしめてくれた。
一央はいないのに
抱き締められたときはあったかさを感じた。
< ありがとう! >
私はあたたかさを感じながら目を閉じて呟いた。
目を開けると
そこには一央はいなかった。
「 ねえママ。
パパは喜んでくれたかな? 」
小さな央一をギュッと抱き締めて
「 もちろん!
央一の気持ち
ちゃんと届いているよ。 」
植木鉢にはいっていた
植木はなんだったのかな?
忘れちゃったけど…
央一の目には雪の花に見えた。
「 キレイだね、央一の雪の花。
記念にお写真撮ろうね。 」
頬を寒さで赤く染めて
雪の花を見つめている。
この子が大きくなっても、
小さなことを幸せに思える大人になってほしいなぁ。
なんて
一央のおかげかな?
いつになく
母親らしいことを考えてしまった。
「 ママ!
はやくはやく!! 」
end