365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!

「 何かあったのかな? 」



スマホをみつめてつぶやいてみても
枇天さんには届くわけないけどね…



< おはよう
ごめんね。
昨日は、すぐ寝ちゃったよ。 >



私の名前が書いてないメールに
疑問が浮かんだけど

でも
メールがきた!
という嬉しさで



< おはようございます。
枇天さん。
今日も1日元気に過ごせましょう!
また夜メールします。 >




メールを返信した。


枇天さんの心に
何かが動きだしていた。

私には
枇天さんを知ってからの時間が少ないから?

小さな枇天さんの変化に
気がついてあげられなかった。





< 冬萌…
私、今、スゴいの見ちゃったよ。
湖北くんって
どこかで見たことあるって思っていたけど
今2人でいるとこ見たら
冬萌といるときよりもシックリしたよ。
冬萌…
湖北くんは
やめといた方がいいよ。 >



凪砂からのメールに
私は言葉をなくしていた。


私に近づいてくる人にも
気がつかないでいた。


スマホから目が離せなくなっている私を
同僚の下総くんが
心配そうに覗きこんでいた。



「 冬萌ちゃん、
どうした? 」



私が無言で見せたメール画面



「 えっ?
これは凪砂からだよね? 」



これ以上言葉を伝えてくれない下総くん

どれくらいの時間が流れていたんだろう…



「 冬萌ちゃん、
どうするの? 」





紫陽花の中にいる時から
枇天さんは
何かを見つけた!

枇天さんに確かめたいけど…

聞いたら
私との時間が
その瞬間から止まってしまいそうで…


ねぇ、
枇天さん!

私には
私が見えるもの…
いや、
見えたものが全てで

それ以外のことなんて
必要ないんだよ。


本当に…。





end





2013/08/03


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