365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
オレは静かに病室で待っていた。
美々が
ここに戻ってくるまでは
誰にも連絡しないでいた。
春の終わりから
夏の始め頃の予定だった…
オトは
かなり早く産まれてきてしまった。
大丈夫なのか?
心配になってきた。
独り言を部屋中に撒き散らしていたら
車イスに乗って
オレのもとへ戻ってきた美々は
昨日の顔とは
まったく違っていてヤツレテいたけど…
すごくキレイだった。
夜になって
自宅に戻る途中に小さな公園があって
オレはジャングルジムに上って夜空を見上げていた。
「 オト…
漢字…
そうだよ漢字…
どうしようかな? 」
美々との思い出がいっぱいある公園。
オレの背中に
ハラハラと花びらが風にのって触っていく
ハラハラ…
手をだしたオレに
桜の花びらが風にのって
ハラハラと
そして止まってくれた。
春に産まれてくれた二人の宝物!
桜がキレイに咲いていた
風にのって
ハラハラと舞っている。
ハラハラという音が
オレには確かに聞こえた。
「 そうだ!
桜に音で
オトくん!
これに決定! 」